講談社の「成功者の告白-5年間の企業ノウハウを3時間で学べる物語 」の書評・レビュー記事です。
意外かもしれませんが、特に、子どもを持つビジネスマン、の方におすすめの一冊となります。
書評:成功者の告白-5年間の企業ノウハウを3時間で学べる物語 by 神田昌典
「成功者の告白」は成功者の「家庭」に着目しているところが新しい
「成功者の告白」は、経営コンサルタントの神田昌典さんが実体験を踏まえ執筆し、成功の光の部分ではなく、影の部分も描いたところに新しさがある本です。
特に、ビジネスの成功者の「家庭」部分に着目。
読者もみなさまのまわりにも、ベンチャーの経営者や大企業の役員クラスの方を思い浮かべたときに、ビジネスでは成功しているが、家庭は崩壊、という話を聞きませんか?
少なくとも、私の過去の経験上も、ビジネスでの成功者が離婚、別居、不倫などの家庭は崩壊、という例を見てきました。
実は、それは、パターン化されていた。
パターン化、というところに驚きです。
家庭の部分は、パターンではなく、個別具体的なものだ、というイメージは強いと思います。
実はそうではない。
ベンチャー企業が成長していく中、あるいは、大企業の中で出世していく各ステージと、家庭環境は密接にリンクしている、故に、家庭の崩壊もある程度パターン化される、というものです。
なぜこの本を読んだか
この本を選んだのは、最近Xで引用されている本を意識して読むようにしているのですが、その中で、どなたかが紹介しており、スマホにメモしていたことを思い出し、読み始めました。
その紹介の中で、家庭の部分を触れており、自分自身も2児の父として、興味が出た、というところです。
家庭の崩壊の一例
「夫が成功すれば、妻が喜ぶ。そして豊かになって、広い家に住み、好きなものが買えて、好きなときに海外旅行に行って、家族が幸せになる。」
「ところが現実は違う。タクの調子がよければよいほど、家庭では奥さんの調子が悪くなる。タクが前向きに頑張れば頑張るほど、奥さんは後ろ向きになる。」出典:成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語 講談社 神田昌典
これは一節です。成長カーブにのっているときは、仕事中心となり、その仕事中心であるモチベーションは、家族を幸せにするため、と考えている。
しかし、幸せにしたい相手である奥さんは明らかに自分の話を聞く耳をもってくれず会話が少なくなる。
そして、仕事はより忙しくなるがゆえに、奥さんや子どもと過ごす時間は短くなる。家族を幸せにするために働いているのに?
その次は、子どもに影響がでる。子どもは、両親がうまくいっていないと、仲を持とうとする。そのたえに、良い子になる子もいれば、悪い子になる子もいる。そして、本書では、無意識の作用により、病気になる子もいるという・・・。
夫は、なぜ、こんなにがんばっているのに、自分には不幸が、と思う。
そして、ビジネスでは成功していっているので、成功者のオーラがでて、女性からもてるようになり、不倫をする・・・。
このような状況は個々人によって違う、と思われてきたし、あまり多くが語られるものではないが、実は、これはパターン化されている、というのが本書の主張だ。
まとめ
2006年に初版のこの本がなぜ、長く売れ続けてきたか、それは、仕事と家庭の両立はビジネスマンにとっての永遠のテーマだからだと思う。
普通、仕事面のみをテーマとして取り上げるが、家庭面にフォーカス。これは古くて新しいテーマであり、経営学などいわゆる学問として理論だてられているものではない。なので、このような本の形で学ぶしかない。
でも、この本を通じて、典型的なパターンを理解し、自分がどのステージにあるかを考え客観視すれば、対応策を打てる。
そうすれば、仕事と家庭が両立する、ということだ。
特に、これは、子どもをもつビジネスマンにはぜひおすすめしたい本だ。
良くも悪くも、家庭環境の影響をもっとも受けるのは子ども。
子育ての真の両立のために、正しい知識を持つことは何より武器になる。
自分もこの本の学びを実践していきたい。