ESG経営

徹底解説!ESG経営の重要性をインデックスファンド増加との関係から解説!

 

ESG経営は、今後、スタンダードな経営手法となっていくと予想されていますが、ESG経営の重要性について、多角的な観点から理解することは重要です。

あまり、知られていないかもしれませんが、実は、インデックスファンドが増加していることが、ESG経営の重要性が増していることと関係しています。

 

本記事では、インデックスファンドとは何か、ということを踏まえ、インデックスファンドの増加により、ESG経営がより重要になっている、ということについて背景を踏まえてわかりやすく解説します。

 

ESG経営の重要性をインデックスファンド増加との関係から解説

僕は、公認会計士として、会計監査のプロフェッショナルとして活動しています。

公認会計士は、投資家との接点が多く、投資家の変化、それに伴う経営の変化、ということを捉える必要があります。

その経験を踏まえて、まとめています。

 

まずは、インデックスファンドとは、というところからですね。

 

インデックスファンドとは?

インデックスファンド、というのは、近年増加していっている金融商品で、個別の銘柄、例えば、ソニーとか、日立、とかに投資するのではなく、何かの指数に連動して価値がかわる金融商品です。

何百という株式を少しづつ保有している、というリスク分散の観点から需要が高まっています。

わかりやすいのは、日経平均株価、という指数に連動するもので、日経平均株価が10%上昇すれば、そのインデックスファンドの価値も10%上昇する、といったものです。

 

投資家が経営に介入する理由

感覚的には、インデックスファンドの割合が増加すると、投資家は、経営に介入しないように思いますが、実は逆で、より経営に介入することになります。

 

インデックスファンド増加前は、投資家は個別株を保有していました。

個別株保有時は、ウォール・ストリートルールに基づき、経営が気に入らなければ、個別株を売却することにより、企業に対して投資家の意志を伝えていました。

 

一方で、インデックスファンドを保有するということは、何百という個別株を少しづつ保有することを意味します。

インデックスファンド全体の最適化を目指します。そうすると、投資家は、今までのようなウォール・ストリートルールに基づく、個別株の売却という行為はできなくなります

なぜなら、インデックスの選択が、投資行為であり、個別銘柄を保有していないからです。

とすると、投資家は、どうやってインデックスファンド全体の最適化を目指すかというと、個別株の売却はできないのでインデックスを構成する企業の経営に介入し、意見を言い、経営の最適化を目指すこととなります。

なので、インデックスファンドの割合が増加すると、投資家は、より経営に介入していきます。

 

長期的視点での投資

インデックス全体の最適化を目指すのは、短期的な視点ではなく、長期的な視点での成長を目指します。

長期的というのは、5年や10年,それ以上の期間のイメージです。

なぜ長期かというと、個別銘柄を考えると、短期的な浮き沈みがありますが、インデックス全体、というインダストリー全体などの切り口での成長は、より長期で考えることで、個別銘柄の浮き沈みの影響を抑え、長期的な市場の成長により、利益を得ていく、ということからきています。

理論的にも、DCF法での企業価値は、ターミナルバリューと呼ばれる5年以上先のキャッシュフローの現在価値が、ほとんど全てを占めていることからも、長期の視点大切さがわかるかと思います。

 

とはいうものの、投資家は、CEOや取締役会メンバーでは無いので、経営判断に介入するための情報は入ってはきません。そこで、情報の収集が今まで、以上に重要となってきます。

 

情報の観点についてはこちらの記事を合わせてご覧ください。

【まとめ】非財務情報とは?ニーズの背景とESG経営の関係を詳細解説

 

ESG経営の重要性

ここで、ESG経営の重要性が増している、という話が出てきます。

なぜなら、経営を長期的な視点で考えた場合、サスティナブルか=持続可能か、という話がでてくるからです。それは、リスクにもなり、チャンスでもあります。

 

気候変動による影響は、長期的な意味でリスクとなります。例えば、50年に一度と呼ばれていた強烈な台風が、毎年発生するようになり、毎年、工場が浸水し稼働できない、などが発生した場合、その企業の価値は著しく毀損し、存続が危ぶまれるほどのリスクとなり得ます。

一方で、環境にやさしい製品は、政府が税制優遇をした際には、チャンスにもなります。例えば、電気自動車などは、その流れの典型例です。

 

リスクでありチャンス!

従って、サステイナビリティな観点から、リスクとチャンスを、どう捉えているか、という視点を企業が持つことは、今後の経営において非常に重要となります。

そして、投資家は、先に述べたように、情報取得が重要となっており、サステイナビリティな観点での情報開示というニーズが高まっているわけです。

 

余談ですが、FSA Credentialというサステイナビリティ会計に関する資格があります。

このようなESG経営に関する背景知識の取得も必要な要素となっており、世の中の流れがよく分かるので、非常に有用なものですので紹介します。

詳細はこちらの記事を参考ください!

【解説】FSA Credentialとは? 勉強方法や勉強時間は?

 

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