【簡単解説】MM理論における完全市場とは?
MM理論(モディリアニ-ミラーの定理)における「完全市場」は、特定の条件下で金融市場が動作すると想定された理論的な市場のことを指します。この条件は次のとおりです:
- 情報:全ての投資家は完全な情報を持ち、すべての証券に関する情報を無料で取得できます。
- 取引コスト:証券の売買に際して取引コストが発生しない。
- 資本市場の効率:全ての投資家が株式などの資本を自由に売買でき、価格はすぐに新しい情報に反応します。
- 税金:投資家は利益に対する税金を支払わない。
- 破産コスト:企業が破産する際のコストが発生しない。
- 同質性の仮定:投資家は同じ期待リターン、リスク、現在価値をもつと想定される。
このような理想的な状況下では、企業の資本構成はその企業価値に影響を与えないとMM理論は主張しています。もちろん、実際の市場はこれらの条件を完全に満たすことはないので、完全市場は理論的なモデルであり、これを理解することは、市場の不完全性が企業価値にどのように影響を与えるかを理解するための一歩となります。
リンク