- ROIC=税引後の営業利益÷(有利子負債+株主資本)
まずはROICの基本計算式です。
こちらの詳細な解説は、こちらの記事をご覧ください。
本記事では、「企業がどうやってROICを向上させるのか?」 にフォーカスして解説します。
【図解】ROICとは?ROICをあげるポイントを2つ詳細解説
結論から言うと、以下の2つの方法があります。
- ROICを構成要素に分解し、あげる
- 事業ポートフォリオの変革をし、あげる
本記事では1つ目の「ROICを構成要素に分解し、あげる」を中心に解説します。
ROICを構成要素に分解し、あげる
- 分子を大きくする
- 分母を小さくする
- ROICツリーを使う
上記の3つがあります。厳密には、上2つが理論で、3つめが方法論になります。
1. 分子を大きくする
「分子=税引後の営業利益を大きくする」ということです。
では、営業利益を構成要素に分解し、営業利益を大きくする方法を考えていきましょう。
営業利益は大きくは以下の3つで構成されますね。
- 売上高を上げる
- 売上原価を下げる
- 販管費を下げる
この3つしかないわけです。
3つをあげる方法としては、以下のStepが考えられます。
- それぞれの管理指標を決めて、過去数年分を数値化する
- この3つの中からキーとなるアイテムを特定する
- キーアイテムに対して、重点的に施策を検討・実行・改善のPDCAを回す
例えば、売上高であれば売上高成長率、売上原価であれば売上原価率、販管費であれば販管費率をみる、などが考えられます。
2. 分母を小さくする
「分母=有利子負債+株主資本を小さくする」ということです。
有利子負債を小さくする
有利子負債を小さくするには、有利子負債の返済をすればよい、ということとなります。
例えば、
- 余剰現金(事業に使われていない保守的に持っている現金)により、有利子負債を返済する
- 遊休資産や政策保有目的株式を売却し現金を獲得し、有利子負債を返済する
株主資本を小さくする
株主資本は、資本金、剰余金、自己株式(マイナス項目)でできています。
資本金はなかなか動かすのは現実的でないです。
とすると剰余金と自己株式の議論となります。
- 剰余金は、配当性向を高めることによる資本の還元
- 自己株式を買い取ることによる資本の還元
このあたりが施策として挙げられます。
3. ROICツリーを使う
ROICツリーというのは、上の2つを組み合わせたものです。
要はこういうことです。
これにより、ROICを構成要素に分解し、その中からROICに一番効くアイテムを特定し、そのアイテムに対して重点的に施策をうっていく。
それを可視化できる点がROICツリーの優れた点です。
事業ポートフォリオの変革をし、あげる
こちらについては、別の記事で詳細を解説します!