ESG投資

第2のテスラ?ビルゲイツ投資ファンドの究極のESG投資銘柄7選

 

ESG投資という言葉をよく耳にするようになりました。

今後、発展していく投資手法であるのですが、まだまだ普及途中です。

意外かもしれませんが、ビルゲイツが究極のESG投資をしています

ビルゲイツ、ジェフベゾス、ブルームバーグ、孫正義などなど、そうそうたるメンツが出資しているESG投資ファンド「Breakthrough Energy」を通じてです。

 

本記事では、ESG投資とはなにかを解説したうえで、ビルゲイツに学ぶESG投資の世界観、そして、第2のテスラとなるかもしれない具体的な投資銘柄を7つ紹介します。

 

この記事におススメの方

  • ESG投資とはなにかを知りたい
  • ESG投資の具体的な銘柄を知りたい
  • 今後、第2のテスラのような、化ける投資先を探したい
  • 環境問題の解決のために投資したい

 

 

第2のテスラ?ビルゲイツ投資ファンドによる究極のESG投資銘柄7選

 

 

僕は、公認会計士として10年間会計プロフェッショナル分野にて活動し、2021年よりニューヨークへ赴任し、2050年脱炭素社会の実現に向けて活動しているものです。

本記事により、形式的にESG投資について考えるのではなく、ビルゲイツのように目的をもったESG投資が増えていけばよいと思っています。

そして、少しでも、今後の環境問題への解決のためのマネー流入が進めばと思います。

 

ESG投資とは?

ESG投資とは、従来の利益や資産などの財務情報だけでなく、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指します。

個人投資家よりも、規模が大きな資金を運用する機関投資家(年金資産の運用、投資会社など)を中心として、注目されてきています。

 

ESG投資は、企業経営のサステイナビリティ・持続可能性を評価するという概念が普及したこと、気候変動などを念頭に置いた長期的なリスクマネジメントや、企業の新たなビジネスモデル創出を評価するベンチマークとして、広まってきています。

市場規模など詳細については、こちらの記事をご参考ください。

【まとめ】ESG投資とは?メリットやデメリットについて簡単に解説

 

 

ビルゲイツによる究極のESG投資ファンド「Breakthrough Energy」

ビルゲイツは、マイクロソフトの創業者で、世界一の大富豪として有名です。

今は、ビルゲイツは、地球環境問題を解決するために、その情熱を注いでいます。

 

ビルゲイツの現在の活動の詳細は、こちらの記事をご参考ください。

ビルゲイツの最新の本の解説!地球温暖化対策の虎の巻!

 

Breakthrough Energyとは?

そして、ビルゲイツは、地球環境問題の中でも、エネルギーセクターのイノベーションを起こすべく、「Breakthrough Energy」という投資ファンドを立ち上げ、今後、数千億円規模の投資を行っていくことを計画しています。

Breakthrough Energyへは、ビルゲイツだけでなく、アマゾンの創業者であるジェフベゾス、マイケル・ブルームバーグ、孫正義など、著名人が出資しており、まさに世界の富豪による究極のESG投資といえます。

 

出資者は、このホームページをご覧ください。

そうそうたるメンツです。

BEV Board & Investors (breakthroughenergy.org)

 

地球環境問題については、こちらの記事をご参考ください。

【まとめ】地球温暖化による地球への5つの影響、4つの暮らしへの影響

 

Breakthrough Energyの投資目的

Breakthrough Energyは、脱炭素社会実現のために、イノベーションのペースを信じられない速度で加速させ、エネルギー分野におけるBreakthroughを行うために、設立されています。

Breakthrough Energyは、エネルギー分野のイノベーションを起こし、その結果、炭素排出量ゼロのエネルギーのグリーンプレミアムをゼロ以下とすることを目的としています。

 

炭素排出量ゼロのエネルギー、グリーンプレミアム、について、それぞれ解説します。

 

炭素排出量ゼロのエネルギー

炭素排出量ゼロのエネルギーとは、エネルギーを生成、もしくは、消費した結果、炭素を全く排出しないエネルギーを指します。

炭素、とまとめましたが、二酸化炭素やメタンなど、温室効果ガスのことを合わせてそのように読んでいます。

 

そして、地球温暖化の原因は、人間の活動の結果、毎年、約510億トン発生している炭素が原因であると高い角度でIPCCという国連の機関が研究報告をあげています。

従って、地球温暖化を止めるには、炭素排出をゼロとする必要がある、というのが、ビルゲイツの考えです。

 

炭素排出については、こちらの記事をご覧ください。

エネルギーセクターの重要性も理解できます。

【まとめ】脱炭素社会とは?2つの数値で解説:510億トン→ゼロ!

 

 

このため、ビルゲイツは、炭素排出量がゼロのエネルギーを、過去にない速度で、開発する必要があるとの持論を持っています。

炭素排出量は、2050年にネットゼロにしなければ、気候変動によるカタストロフィ(世界の崩壊)が起きるという予測がされているためです。

 

例えば、代表的な炭素排出量ゼロの電気は、太陽光発電と風力発電で、炭素排出量ゼロの車は、電気自動車です。

 

 

グリーンプレミアム

ビルゲイツは、世界が、2050年に炭素排出量ゼットゼロとするためには、グリーンプレミアムをゼロ以下にする必要がある、と述べています。

 

グリーンプレミアムとは、現在主流となっているが炭素が排出されてしまう製品と、炭素排出がゼロの製品の「価格の差」を言います。

例えば、エネルギーでいえば、車が1キロ走行するガソリンの単価が100円として、これを炭素排出量ゼロのバイオガソリンに変えた場合、単価が150円だとすると、150円と100円の差である50円のことをグリーンプレミアムと呼んでいます。

他にも、ガソリン車の価格が300万円で、全く同じモデルの電気自動車の価格が500万円の場合、500万円と300万円の差である200万円を指します。

 

この考えの何が画期的かというと、「世界の炭素排出量をゼロ」とすることを目的とした考え方であるからです。

つまり、先進国であるアメリカやヨーロッパのみならず、発展途上国のインドや、世界最大の炭素排出国である中国もネットゼロを目指す必要があり、すべての国でネットゼロとなるために必要な概念である、ということです。

 

例えば、裕福な国、例えばアメリカでは、グリーンプレミアムがゼロではないが、一定程度安くなったため、クリーンエネルギーを使えるようになったとしても、発展途上国であるインドでは、依然として価格が高く、クリーンエネルギーを導入しなければ、ネットゼロとはなりません。

しかし、グリーンプレミアムがゼロとなる、つまり、炭素排出をする製品と、しない製品の価格がイコールとなれば、選択の必要性はなく、炭素を排出しない製品を利用する、という考え方です。

 

出典:Breakthrough Energyのホームページを和訳し要約Investing in Innovation (breakthroughenergy.org)

 

 

「Breakthrough Energy」による4つの投資エリア

Breakthrough Energyは、投資先のエリア・技術として4つ挙げています。

このエリアは、今後、先進的な技術革新が期待されているエリアといえますので、非常に注目度が高いです。

そして、ESG投資のEについてを追求した投資といえます。

 

  • グリーン水素
  • ゼロエミッション飛行機のためのサステナブル燃料
  • 長期の蓄電技術
  • 大気中の炭素を直接取り除く技術(Direct Air Capture)

 

 

グリーン水素

グリーン水素は、石油などの化石燃料に変わり、二酸化炭素が全く排出しない燃料のことです。

これにより、移動手段や製造過程から、全く炭素が排出しないことが可能となります。

 

ゼロエミッション飛行機のためのサステナブル燃料

飛行機は、ガソリンにより動いていますが、ガソリンに変わる炭素排出量がゼロの燃料の開発です。

飛行機は、車やバスなどとは違い、技術的難易度が高いといわれています。

なぜなら、安全性が最も求められ、かつ、超長距離を移動するため、少ない質量で、エネルギー保有量を最大化する必要があるためです。

空で、エネルギー補給ができればよいのでしょうが、そうともいかないため、高いエネルギーを軽く、積む必要があります。

 

長期の蓄電技術

長期間、電気を補完できる設備です。

太陽光発電や、風力発電は、クリーンなエネルギーですが、季節や気候変動により、発電量が左右されます。

それを補うため、長期の蓄電技術が必要となります。

 

大気中の炭素を直接取り除く技術(Direct Air Capture)

大気中の炭素を直接取り除き、例えば地中などに保存する技術です。

これがあれば、大気へ炭素を放出しても問題ない、と思われるかもしれませんが、まだまだ発展途上の技術分野であり、この技術のイノベーションに頼るわけにはいかない、といったところです。

ビルゲイツは、各分野のグリーンプレミアムは、ゼロとしていき、それでも補いきれないエリアへの予備的な技術として、Direct Air Captureがあると語っています。

 

 

第2のテスラ!?Breakthrough Energyの投資銘柄7選

Breakthrough Energyの投資先銘柄を7つ紹介します。

いずれもファンドの経営理念に沿った企業であり、テスラのように10年ほど前まではベンチャーと呼ばれていた企業が、トヨタを超えるような時価総額となる第2のテスラとなるかもしれません。

 

  • Quantumscape
  • Carbon Cure
  • CubicPV
  • Motif
  • Our Next Energy
  • Zero Avia
  • Verdox

 

 

Quantumscape

電気自動車用の新バッテリー技術の開発企業です。

 

Carbon Cure

コンクリートの炭素排出量をゼロとする技術の開発企業です。

 

CubicPV

太陽光発電のより高出力化に向けた技術の開発企業です。

 

Motif

サステナブルフード、例えば、大豆ミートなどの開発企業です。

牛肉などの家畜が実は、炭素排出量が非常に高いためです。

詳細はこちらの記事をご参考ください。

 

Our Next Energy

蓄電技術の開発企業です。

 

Zero Avia

炭素排出量ゼロの航空機を開発している企業です。

 

Verdox

Direct Air Captureの技術を開発している企業です。

 

 

なお、Breakthrough Energyのホームページにそのポートフォリオ58企業は開示されています。

出典:Our Portfolio (breakthroughenergy.org)

 

 

まとめ

ビルゲイツによる投資ファンドBreakthrough Energyは、テーマ型投資であり、究極のESG投資と呼べるかもしれません。

利益を目的としているのではなく、地球環境問題の解決のため、サステナブルな世界の実現のための投資です。

ESG投資とは、投資リターンを追いかけるのみではなく、作りたい世界のための投資、と言えるのかもしれません。

 

ぜひ、この記事をきっかけに、環境問題についても考えるきっかけとなってもらえればと思います。

こちらの記事をご参考ください。

ビルゲイツの本に学ぶサステナブルな暮らしの本質的価値観と実践方法6選

 
こちらの本は、ビルゲイツの書籍で名著となっていますのでおすすめです。


 

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