非財務情報という言葉をよく聞くようになりました。
この記事におススメの方
- 非財務情報の監査義務はある?
- 非財務情報の信頼性は?
- 非財務情報の監査ニーズ、今後の動向は?
本記事では、非財務情報の監査義務の観点と、情報の信頼性に対するニーズ、今後の監査の動向についてまとめています。
非財務情報については、こちらの記事をご参考ください。
【まとめ】非財務情報とは?ニーズの背景とESG経営の関係を詳細解説
【まとめ】非財務情報に対する監査の現状と監査ニーズ
僕は、公認会計士として会計・監査に携わっているプロフェッショナルです。
今は、環境問題への解決のために活動しており、非財務情報も、環境問題の解決のための1つの重要な流れとなっています。
非財務情報について、現状、法律上の監査の義務はない
タイトルが結論ですが、現状、非財務情報について、法律上の監査義務はありません。
一方で、上場企業の場合、財務諸表には公認会計士の監査義務があります。
では、そもそも監査は何のために実施されているのか、ということですが、「情報の信頼性」の確保のためです。
P/L、B/S、C/F計算書などは、公認会計士の監査を受けることで情報の信頼性が確保されているといえます。
しかし、非財務情報は、まだ、情報の信頼性を確保する体制が整っていません。
なぜなら、開示するフレームワークが定まっていないからです。
非財務情報の監査の現状と監査ニーズ、今後の動向
一方で、現状、一部の企業は情報の信頼性を自主的に確保する観点から、第3者機関からの「保証」を受けています。
平たく言うと、自主的に監査を受けている、ということです。
ですが、アメリカの例でいうと、2019年のS&P500のレポートでは、90%の企業が、ESGに関する情報を開示しているが、そのうち29%だけが監査を受けており、その29%というのも、開示項目のうちの、例えば温室効果ガス排出量のみ、など、一部の項目のみ監査を受けているということのようです(G&A Institute, 2020 S&P 500 Flash Report)。
今後、ESG投資の議論が活発となる中で、非財務情報に対する情報の信頼性の確保は、必然的なニーズとなります。
実際、Mackinsey Sustainability Reporting Surveyによれば、67%の投資家は、ESGに関する情報について、監査が必須、ということを求めている、とのことです。
まさに、情報の信頼性へのニーズの高さがうかがい知れます。
ESG投資については、こちらの記事をご参考ください。
【まとめ】ESG投資とは?メリットやデメリットについて簡単に解説
また、非財務情報に関連する資格にFSA Credentialというものがあります。
こちらの記事もご参考ください。
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